まなびのコンパス
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ほめることは全ての人に必要なスキル、「ほめる達人」になって人間力をアップさせよう。

日本橋で展開している社会人のための学びの拠点「WASEDA NEO」では、「日本橋ブレックファストセミナー」と題し、朝の時間を有効活用し、自分を伸ばすセミナー形式の朝活プログラムを複数開講しています。そのうちの一つで、5月31日よりスタートした「『ほめ達!』リーダーシップ講座」。ほめることで生まれるさまざまな効果を活用し、企業のスタッフ・商品・サービスの価値を高める切り口を提供している、一般社団法人日本ほめる達人協会創設者・理事長の西村貴好氏が講師を務めています。

「ほめる」とは、価値を発見して伝えることだと西村氏は言います。この講座を通して、チームのモチベーションやパフォーマンスを上げるスキル、コミュニケーション能力、リーダーシップ能力を身に付けることができるということです。これからのリーダーに必要な人間力も身に付くという西村氏の講座の初回の一部を抜粋して紹介します。

 

一般社団法人 日本ほめる達人協会 創設者・理事長 西村貴好氏

「泣く子もほめる!」ほめる達人。ほめる効果を活用し、さまざまな企業のスタッフ・商品・サービスの価値を高める切り口を提供。橋下元知事が大阪府の調査を2年連続で依頼。その様子をNHKが「クローズアップ現代」で全国放送し話題に。2011年に一般社団法人日本ほめる達人協会を設立し理事長に就任。「ほめる」効果と理論を体系的にまとめ「ほめ達!」検定をスタート。NHK「ニュース シブ5時」「ガイアの夜明け」などTV出演多数。著書に『ほめる生き方』、『結果を引き出す大人のほめ言葉』など10冊。2018年の講演回数は225回、年間聴講者数は12,911名。

 

身の回りの「価値あるもの」が見えていない状況ではありませんか?

最初に本講座の導入として、ある動画を見ながら行うワークを行いました。ワークの詳細はお伝えできませんが、結果としてあまりに一つのことに集中するがあまり、全体が見えなくなることに気づかせてくれる内容となっています。

ワークの結果に驚く参加者に対し、西村氏はこう話します。

「普段、これと同じことをやっていませんか?今やらなくてはいけないことや、目の前の数字にとらわれすぎてしまっている。そして、仕事のやりがいや、社会やお客様への貢献など、価値あるものが見えていない状態に陥っている。誰の役にも立たない仕事はありませんし、誰もが社会を支える重要な役割を担っています。しんどいこともたくさんあるけれど、それでも懸命に生き、働くのは素敵なことです。この価値に気付かずに暮らしてしまっている状況から抜け出しましょう」

 

「ほめる」とは何か?

そもそも「ほめる」とは一体どういうことなのでしょうか。西村氏は、「ほめる」ことについて説明しながら、この講座の目的を受講者に共有していきました。

目的1:「ほめ達」のリーダーになろう

「ほめるのは、難しいことではありません。しかし、ただおだてたり、耳障りのいいことを言ったりすることでもありません。ほめるとは、価値を発見して伝えることです。人やもののいいところを見つけて伝える。欠点やネガティブなことにまで価値を見出し、いいところを引き出してあげることもできます。ほめる力を身に付けて、ほめる達人になってください」

目的2:人、モノ、出来事の価値を発見し、伝えられるようになろう

「皆さんの周りの人のいいところや、会社で提供しているサービス・商品が、先ほどの映像のゴリラのように見えない存在になっていることがあるかもしれません。どれほど価値があるものでも、相手に伝わらなかったり、気付かれていなかったりしたら、存在しないのと同じです。ほめることを身に付ければ、皆さんの会社で扱っている商品の価値を改めて発見し、独自の切り口でお客様に伝えることができるようになります」

目的3、「脳力」「魅力」を上げよう

「ほめる力を身に付ければ、普通ピンチだと思うことでも、『チャンスがきた、やってみよう』と思えるようになります。“問題が起こったのがこのタイミングでよかった” “組織がより大きくなる前でよかった”“引き渡しの前でよかった”“誰かの命に関わる前でよかった”などと前向きに受けとめることができるのです。そして知恵を集めて、二度と同じ問題が起きないように仕組みを作っておけるチャンスなのだと考えられるようになります」

講義を聞くうちに、徐々に「ほめる」ことの効用や意義が分かってきた受講者の皆さん。西村氏は、人をほめるときの注意点として、「ほめることで他人をコントロールはできない」と話します。

「相手に響いてほしいとか、喜ばせたいという、コントロールを目的とする気持ちは伝わってしまいます。他人を変えたり動かしたりすることはできません。しかし、自ら気付き、影響を与えることはできます。大切なのは、相手が変わらなくても、動かなくても、信じ続けること。これを分かってさえいれば、どんなほめ方をしても大丈夫です」

人をほめることで自分の心が整うと、西村氏は言います。自分の心に余裕がないと人をほめることはできないかもしれません。しかし、そんな時でも歯を食いしばって周りの人のいいところを丹念に探していけば、自分の心が整いだすのだそうです。

 

さらに西村氏は、「ほめる」ことを学ぶと、人間としての魅力が高まると言います。

「ほめても、相手が心のなかで『あなたにほめられてもうれしくない』と思うこともある。逆に、自分が心の底から尊敬している人から『君らしくない』『今回はどうしたんだ』と叱られたり怒られたりしても、いつも見てくれていたことがうれしくて涙することがあるかもしれない。大切なのは、誰が言うか。すなわち、人間力が大事ということです」

 

ほめる達人=「ほめ達」の極意

全4回の講座のテーマは「Enjoy!」と「プラス受信」。

「Enjoy!」は、楽しみながら学んでいくことを意味します。朝に行われているこの講座を楽しんで、その後の仕事でパフォーマンスを発揮してもらいたいという思いがこめられています。

また、「プラス受信」は、何が起きても「何のチャンスだろう?」と考えることを指します。すぐに答えは出ないかもしれないけれど、ピンチのときにこの言葉を思い浮かべることで、後からフッとひらめくことがあるのだと西村氏は話します。

そして、本講座のグランドルールについて、「ほめ達」の極意とともに4つの説明がありました。

1.マイナスの言葉を使わない

「マイナスの言葉とは、「でも」「だって」「どうせ」の3つのDのことです。難しいことがあっても『面白いね』と言えるようにしましょう。3つのDではなく、2つのD『“ど”うやったら“で”きるかな』と考えるようにしてください。頭のなかで使う言葉から変えていきましょう」

2.違いを楽しむ

「この講座のなかで起こる出来事には、「間違い」や「失敗」はありません。間違いではなく、違いや気付きです。例えば、何かネガティブなことが起きた時には『努力が足りないことに気付いた』と思えるようになりましょう。この考えを持っていると、人生が気付きだらけになります。反対にこの考えを持っていない人は、間違いや失敗をネガティブに考えてしまい、傷だらけに。気付きだらけの人生と傷だらけの人生。どちらがいいかは、お分かりですよね」

3.仲間を応援する

「この講座のメンバーはひとつのチームです。何を学ぶか、誰から学ぶかに加えて大事なのが、誰と学ぶか。チームの仲間を応援しながら、ともに成長していきましょう」

4.120%の表現力に挑戦

「成長とは『未見の我との出会い』です。そのために、恥ずかしいと思うことでも、120%の力を出して自分を表現し、まだ見ぬ自分と出会う人生にしてください。アクセルを今よりもうひと踏みして挑戦しつづけることで、皆さんの人生の着地点が変わってきます」

西村氏の好きな言葉は、「向き合えば地獄、踏み出せば極楽」だといいます。侍は真剣を持って、間合いを取っている時が一番つらいが、一歩踏み出して勝負が始まったら、普段の鍛錬のおかげで体が勝手に動き出すので、頭の中は極楽になるということを意味した言葉です。例えば、初対面の人に挨拶をすべき場面でも、どちらから行くか駆け引きをするよりも、こちらから挨拶に行って気持ちを表現するほうが楽なことが多いと思います。このように、アクセルをもうひと踏みして能動的に物事へアプローチすることで、未見の我と出会っていってほしいと西村氏は語ります。

 

「ほめ達」の口癖、3S+1とは?

西村氏は、成長し続ける人の共通点についても教えてくれました。

「話を聞いたときに、そのことを知っているかどうかではなく、できているかどうかを考える人が、成長し続ける人物の特徴です。例えば、本を読んで知っていたことだとしても、『知っている』と思った瞬間に頭と心のシャッターが閉まり、成長の機会を逃してしまいます。そうではなく、『今話に出てきたということは、実践するチャンス』と思うようにすると、人は成長できます。そして、直接関係のない話だとしても、全て自分に置き換えて考えてみましょう。自分がいる環境には当てはまらないとしても、『もし、自分の会社よりももっと大きな会社だったら』『自分が住んだことがない田舎だったら』と想像してみる。自分とは違う業種、立場、環境に置き換えたらどうなるだろうと、考えながら話を聞く。すると、発想の転換ができ、自分がいる環境では思いつかないような新しいアイデアを見つけることができます。他業種や他の事例から想像を膨らませることが大事なのです」

講義の最後に、西村氏は「ほめ達」になるために口癖にしたい「3S+1」を教えてくれました。

3Sとは、「さすが!」「すごい!」「素晴らしい!」の3つ。そして、「+1」とは何でしょうか。

「部下や後輩をほめようと思っても、『何考えているんだ』『全然違うじゃないか』と言いたくなるときもあります。しかし、そのまま伝えると相手の心が折れてしまうので『そう来るか!』と表現することをお勧めします。言われた相手は、間違いに気付きつつも、努力は認められたと思うことができる。ただ、この言葉は目上の方には使えないので、気を付けてくださいね(笑)」

続けて西村氏は、この「ほめ達」のスキルの有意性を受講生に伝えました。

「ほめ達のスキルは、ポータブルで持ち運び自由です。会社でも家庭でも場所を選ばず使えます。価値を発見して伝えることは、経営者やリーダーだけに必要な能力ではありません。誰もが自分の人生の経営者なのですから、全ての人に必要なスキルです」

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受講者が皆で行うワークが盛りだくさんで、西村氏のユーモア溢れる話に笑いが絶えない講義でした。大いに盛り上がった「『ほめ達!』リーダーシップ講座」の第1回。全4回が終了するころには、「ほめる」ことが上達するだけでなく、人間力が上がり、魅力的な人物になっているはずです。

「WASEDA NEO」では、忙しいビジネスパーソンの皆様による朝の隙間時間の有効活用、いわゆる「朝活」の方法の一つとして今後も多種多様な講座を展開していまいります。詳細はこちらよりご覧ください。

 

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